桐材は樹木の中でも比重が軽く、柔らかく狂いも少ない上、木目が美しいので、
これを用いた箱は最上の品とされています。
湿度を発散するという特有の性質は、中に入る物を末永く保護し、
まさに「生きている材」と言えるでしょう。
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桐の原木を野積みにして、約3年ぐらい風雨にさらし木の中のあくを抜きます。十分にあくぬきをせずに、箱にした場合は、割れや変形が発生したり、仕上がり状態も悪くなります。
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太い物や、特殊な用途に使われる原木は、製材後、あく抜きをします。3cmぐらいに製材することが多いですが、早くあく抜きが完了するので、当社では、1m以上の桐箱を作る際に使用します。
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乾燥した原木を色々な長さや薄さに切ります。当社では、ここで、木目を吟味し木の善し悪しを判別します。製材後も、風通しの良いところで短期間乾燥させます。
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桐材を一つずつゴムで締めていきます。側づけ(かわづけ)という作業です。完全にボンドが渇くまで何時間も自然乾燥します。ベテランの職人が長年の勘で乾燥状態を見守ります。
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側づけされた枠組みに蓋や底を張ります。ボンドが乾きかけの時に、タイミングを見計らって、ジャッキで強く締め、その後、再び、数時間自然乾燥します。
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蓋底が完全に乾いた物から仕上げにかかっていきます。「円盤」と呼ばれるカンナの歯を大きくした歯が3枚セットできる機械で仕上げます。
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仕上がった箱にとの粉を塗ります。桐箱のやけを防ぐ効果があるともいいます。
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との粉が乾いてからロウで磨きます。との粉のざらつきを軽く磨きます。
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“しっとり”かつ“つるっ”とした感触がよみがえります。白っぽい桐箱より暖かさを感じられます。
仕上げをした桐箱に絵師が一点一点、手書きで絵付けを施します。